120509 モノノミカタ

□第1の視点
第1に美術品を守るというシェルターとしての役割が美術館には求められます。
ましてや公共の施設となれば
長い年月そこに建つことを保障されている必要がある。

はじめて見たときからこの点で違和感がつきまとっていた。
ものすごく雨の多い地域、湿気も多く冬はそれなりに冷え込む。
結露、日差し等々建物にダメージを与える自然は街中にある環境より厳しいのは確か。
軒が無く、ガラスにフィルムが貼られただけの建物はシェルターとしてはあまりにもひ弱に思える。

□第2の視点
今回この建物を見て腑に落ちたのが、建物のまわりをぐるりと歩いている時。
新緑の中に置かれたガラスの箱がひとつの美術作品のように見えてきた。
単純に真四角ではなく、広い敷地を利用し斜めに各室が飛び出す形態は外を歩く者に対して
向こうが見たくなるような仕掛け(シークエンス)として見事に処理されています。

美術館そのものが建築家/妹島和世・西沢立衛氏の美術作品だと・・・。

昨日紹介したように世界的評価を受けた両氏の作品であるということで
それだけでもこんなヘンピな場所に全国から人を呼び寄せる力を持つ。
(実際、訪れる度に一眼レフを片手に建物を見学する者を見掛ける。)
建物そのものが美術作品と考えるとこの建物は良いものです。

■評価は分かれますが建物が美術作品(オブジェ)と考えるとおもしろい見方ができます
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辻・近川建築設計事務所

by tsuji-chika | 2012-05-09 09:18 | 和歌山県の風景
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