まずは敷地に立つことから。
竹やぶを切り開いて造成された整然とした土地。
高台に位置し東側の眼下に生駒の住宅街が連なる景色。
どこでも同じように感じるのが
土地が造成されると整然となりすぎ、まわりとの文脈が一旦切れているので設計の糸口が難しい。
残されるのは、方位や前面道路との関係、高低差などに限られてくる。
幸いこの土地には、東側の景色と、南側の竹やぶが残されていた。
お施主さんもその点を気に入られていたのは明白だったので、間取りのイメージはそこから膨らませていった。
敷地に立つとおおよそここにはお父さんの部屋
ここはLD、水周りはこのあたりにしてと具体的な間取りを想像する。
糸口を頼りに部屋の序列を付け優先的に配置していくと選択肢がそれ程ないことが見えてくる。
大きな家になることが予測されたので
ボリュームを分割しながら威圧的な存在にならないよう注意したいと考えた。
建築的には東側に飛び出したお父さんゾーンのボリューム、外壁をガイドに
視界を整理するとでLDから豊かな景観を確保できそうだと想像していた。
街区の進入口に位置するのでプライバシーの問題も懸念されたが
幸い前面道路との高低差があったので少し塀を立てればうまく解消されそうに感じる。
気さくなお父さんの人柄を想像すると
前面道路の近くにお父さんの部屋が配置されることもそれほど無理がなかった。
所見でおおよそのあたりを付け
インフラの確認、敷地境界の処理、風の向き、周辺環境(近隣の様子)など
事務的な部分を確認していよいよ積水さんのショールームへ。
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