161128 ビフォーアフター

『上の家』

住宅産業に一時代を築いたビフォーアフターが終了した。
くしくも国の政策は、空き家を再利用することに躍起になっている。

先日、何千とある空き家をすべて調査した行政の方と話をさせて頂いた。
国や議員さんは、「もっと空き家を有効活用する努力を・・・!」と言うが
使えるような空き家はほとんど無く、あったところで民間の不動産屋さんが先に手を打っている。
行政が扱えるのは、経済的価値の無い空き家というのが現実でそれを有効活用しろと言われてもと
机上と現実のギャップに頭を抱えておられた。

ビフォーアフターに違和感を持つのは
クライアントがプロジェクトに係わることなく、完成時に感動するだけの存在になっていること。
結果がうまくいけば良いが
完成時にはじめて現場を見てこんなはずではなかったとトラブルがあってもおかしくない。
本来、キーパーソンであるべきクライアントの存在を排除することで
匠が派手に立ち振る舞えるのが、「劇的」になるカラクリで、現実のプロジェクトはそう簡単ではない。

クライアントに、背中を押して頂きながら、時にはブレーキを踏んでもらい着地点を探っていく。
特に、リフォームの場合はクライアント側に建物に対する思い入れ、欠点に対する
リアルな肌感覚を持たれているのでそれを共有することからはじめなければならない。
粘り強い対話と、注意深い観察力が無いと良い結果が生まれない。

空き家、マンションのリフォーム、今回のような倉庫の住宅へのリノベーションと
社会的ニーズとしては年々高くなってきているのが分かる。
当事務所でも
六十谷の家http://tsujichika.exblog.jp/i44/
有田の家3http://tsujichika.exblog.jp/i49/
幡川の薬局http://tsujichika.exblog.jp/i47/
とリフォームの案件が増えている。

番組の終了をきっかけに「劇的」(番組の功罪は別にして)ではなく
地道な対話・観察の積み重ねが求められる、本来のリフォームのあり方を考える時期に入ったと言える。

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辻・近川建築設計事務所
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by tsuji-chika | 2016-11-28 09:57 | 『上の家』
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