170506 『京都の家』

『京都の家』

現場は京都。金閣寺の近く。
丁度三年前、ご縁頂きましてはじめて現場を訪れた。

敷地はゆったりと広く、衣笠山を背景にゆるやかに傾斜している。
敷地内に建つ建物半分を取り壊し、仏間のある主屋として建替えの計画。

「京都」「金閣寺」「衣笠山」と三拍子揃うと何かと凄そうなところと気配が漂う。
実際、風致規制が大変厳しいことも京都の中での位置づけを物語っている。
(※風致規制についてはおいおい・・・。)

はじめて訪れた印象は
敷地のゆるやかな傾斜と湿度。

■傾斜
敷地が広いということもあり、
門屋を手前に奥の離れへとゆるやかな傾斜が続く。
この傾斜をきっかけにプランニングしていくことが本計画でのストロングポイントになると考えた。
その後計画案は変更を重ねるが、傾斜を活かした屋根構成、中庭の位置づけは変わらず踏襲されている。
この場所でなければという必然性が強い力(説得力)をもったのだと思う。

■湿度
和歌山での海風の影響を受けたカラッとした印象の庭ではなく
塀、外壁、石畳、銅製の樋に苔が付着し、南側の庭にも苔が繁茂していた。
同じ石を並べても湿度というベールがそれを覆いこの場所らしい雰囲気が作られる。
(それだけ自然の力が強い場所)
呼吸する材料、自然素材の選択が必然と言え、時間がこの場所にあった雰囲気を作るのは明らか。
建築はその絶え間なく続く自然現象に対し、素直に応答することが求められ
抗すること(無理なデザインをすること)は家にとっては良い結果にはならない。

さて、擁壁工事も終わり休み明けいよいよ本体工事がはじまります。
少しずつですが進捗を報告させて頂きますのでご期待ください。

■解体前の様子
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実際に体感して頂くことでたくさんの発見をして頂けると思います
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by tsuji-chika | 2017-05-06 16:34 | 『京都の家』 | Trackback | Comments(0)
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