カテゴリ:『上の家』( 15 )

161128 ビフォーアフター

『上の家』

住宅産業に一時代を築いたビフォーアフターが終了した。
くしくも国の政策は、空き家を再利用することに躍起になっている。

先日、何千とある空き家をすべて調査した行政の方と話をさせて頂いた。
国や議員さんは、「もっと空き家を有効活用する努力を・・・!」と言うが
使えるような空き家はほとんど無く、あったところで民間の不動産屋さんが先に手を打っている。
行政が扱えるのは、経済的価値の無い空き家というのが現実でそれを有効活用しろと言われてもと
机上と現実のギャップに頭を抱えておられた。

ビフォーアフターに違和感を持つのは
クライアントがプロジェクトに係わることなく、完成時に感動するだけの存在になっていること。
結果がうまくいけば良いが
完成時にはじめて現場を見てこんなはずではなかったとトラブルがあってもおかしくない。
本来、キーパーソンであるべきクライアントの存在を排除することで
匠が派手に立ち振る舞えるのが、「劇的」になるカラクリで、現実のプロジェクトはそう簡単ではない。

クライアントに、背中を押して頂きながら、時にはブレーキを踏んでもらい着地点を探っていく。
特に、リフォームの場合はクライアント側に建物に対する思い入れ、欠点に対する
リアルな肌感覚を持たれているのでそれを共有することからはじめなければならない。
粘り強い対話と、注意深い観察力が無いと良い結果が生まれない。

空き家、マンションのリフォーム、今回のような倉庫の住宅へのリノベーションと
社会的ニーズとしては年々高くなってきているのが分かる。
当事務所でも
六十谷の家http://tsujichika.exblog.jp/i44/
有田の家3http://tsujichika.exblog.jp/i49/
幡川の薬局http://tsujichika.exblog.jp/i47/
とリフォームの案件が増えている。

番組の終了をきっかけに「劇的」(番組の功罪は別にして)ではなく
地道な対話・観察の積み重ねが求められる、本来のリフォームのあり方を考える時期に入ったと言える。

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by tsuji-chika | 2016-11-28 09:57 | 『上の家』

161126 飾ること

『上の家』

余白を残しておくこと。
建築は建物だけで完成するのではなく、生活があり、そこには物が置かれる。

その時はじめて建物が活き活きするように
建物は装飾的になるのではなく、少し控え目な方が良い。

季節に変化を感じたり、家具を移動させたりと
少しずつの変化で建物に新陳代謝が起る。

■気配をつむぐ
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by tsuji-chika | 2016-11-26 04:58 | 『上の家』

161125 シークエンス=連続

『上の家』

家に入って、居間に至るまでの流れを考える。

(写真1):細長い玄関土間から入り、先への期待感を膨らませる。
(写真2):靴を脱ぐとき振り返って見る壁。日光が入り少し気持ちが楽になる。
(写真3):玄関はあくまでもすっきりと流れを遮断しないように。小さな扉の向こうに部屋の様子が見える。
(写真4):前室に入る。ラワンベニアの天井、リネンのカーテン、絨毯、アイキャッチになる重心の低い照明とデイベッド。
一気に温かさを感じる。おそらく足裏から伝わる絨毯のやわらかい感触で肩の力も抜けている。
(写真5):佇まいをただしあらためてLDを見る。この先一体どうなっているんだ・・・。

建築の古典的な手法。シークエンスの醍醐味が味わえる計画です。

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by tsuji-chika | 2016-11-25 05:15 | 『上の家』

161124 半年が経ち・・・

『上の家』

今年の7月末に引渡しをさせて頂きました『上の家』。
昨日竣工写真の撮影をさせて頂きました。

もともと、重量鉄骨造の倉庫を改修され住居として住まわれていましたが
ご縁頂戴して、あらためて改修をさせて頂きました。

重量鉄骨造特有の大きな空間を
天井・床に段差を設けることでゆるやかに分割し、部屋毎にリズムを設けています。

玄関から入るとすぐにカーペット敷きの前室に入ります。
LDKの大きな空間にポンっと入るのではなく
間に少し小さな部屋を介することで全体の馴染みを良くしています。
カーペット敷き、ラワンベニアの天井仕上げとあいまって温かい印象の部屋になっています。
窓際には横になれるようデイベッドが造られています。

今回の改修では
天井にダウンライトやシーリングライトなどの照明をつけないことをテーマに計画を進めました。
天井に付属物が無いことで非常にすっきりとした印象に感じて頂けると思います。

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by tsuji-chika | 2016-11-24 11:33 | 『上の家』

160809 照明

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

お施主さんは電気工事に係わる方。
そんなお施主さんだからこそ、照明器具が天井に無い提案をさせて頂いた。
(問題があれば何とかしてくれる・・・(笑))

天井に張り付く照明器具が無粋なもので、陰影の無い上からの光は、表情に嫌な影を落とす。
仕上がった空間には余計なノイズが無くとても爽やかな印象。
色温度、演色性を整理して光の質にも配慮している。

唯一天井から下がるのはLeKlintとPoulsen。
LeKlintはコーナーに設置し低く重心を下げた。
日本であまり見慣れないレイアウトだが北欧ではよくある。風でゆられてもガラスではないので割れる心配も無い。
とにかくやさしい光が、玄関から入ると良いアイキャッチになっている。
下にboseなんかを置いて頂くと尚引き締まると思う。
Poulsenは納期待ちで月末に取り付け予定。2灯吊りになる。

上質な空間になったように思います。

■玄関から前室に入る。床はカーペット敷き。
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■前室からリビングを見る。
■ガラスに照明が映り込む。
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■照度は間接照明で担保
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■デイベッド
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by tsuji-chika | 2016-08-09 16:04 | 『上の家』

160727 depth

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

建築に造詣が深いお施主さんhttp://tsujichika.exblog.jp/25317219/
ディテール、素材感、色、それが生み出す空気感までも感じ取られる。

生半可な提案では駄目で、深い部分での建築的な回答が求められた。

養生も取れ、いよいよ空間が見えてきた。
鉄骨造特有のダイナミックな雰囲気に仕上がっている。とにかくワクワクする。

■壇上に書斎コーナーを設ける 高窓から光が落ちる
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■繁茂した自然の緑とのコントラストが見事。既存サッシは黒灰に着色
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■階段:余計なことはしない
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■吹き抜け見上げの:緊張感ある納まり子供室につながる
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■玄関ホール:仕上げを変え素材感で陰影を調整した
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■このカットをみてピンと来る人はかなりの建築通
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■白のグラデーション
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■後少しです
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by tsuji-chika | 2016-07-27 11:41 | 『上の家』

160629 額装

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

見慣れた景色が額装(http://tsujichika.exblog.jp/20899141/)される。

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by tsuji-chika | 2016-06-29 06:58 | 『上の家』

160622 鉄扉

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

アルミサッシでなく、木製建具でもなく鉄扉。
建築用語ではSD(スティールドア)。

■枠をペンキで塗装して少しざっくりとした印象に仕上げて頂いた
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by tsuji-chika | 2016-06-22 13:11 | 『上の家』

160616 前室

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

室名はとても大事。
名前を付けることで用途を固定してしまうので慎重に扱いたい。
リビングと言えばソファーを置いてTVを見て、
ダイニングと言えばダイニングテーブルを置いて食事をしてとなる。

昔の日本建築では奥の間、次の間といったように、部屋の序列が室名となっていた。
そこに用途が存在しなかったことはとても興味深い。

玄関を入って小さな扉を開けて入る部屋。
リビングまでの動線となりリビングの前という理由で前室と名付けた。
特に用途を想定せず、造作のソファーを窓際に設置するだけの簡単なしつらえ。
床は玄関から続いて、やわらかな肌触りのカーペットを敷く。

どんな使われ方になるのか全く想像がつきません(笑)
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by tsuji-chika | 2016-06-16 09:46 | 『上の家』

160615 子供部屋問題

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

子供が成人して家を出て行くと6畳や8畳の子供部屋が物置部屋になっていて
2階はほとんど使わず1階だけで生活している人も多い。

子供部屋がいるのは9歳~18歳までと考えるとわずかな期間(10年程)しかないことがわかる。
その子供部屋を仮の住まいと考えると、寝て、勉強机があれば十分で
狭い部屋に不満があるのであれば早く自立して広い世界に羽ばたいていってくれればという考え方もある。

そんな方針で計画したわけではないですが
今回はスペースに制約があった為に2段ベッドを間仕切りとして造り付けた。
上が右の部屋、下が左の部屋で使う。後は机が置けて、個人用のクローゼットが付く。

■家作りの際には、子供部屋をどう扱うかを一度話し合ってみてほしい
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by tsuji-chika | 2016-06-15 04:59 | 『上の家』