カテゴリ:『京都の家』( 16 )

171017 ゆらぎ

『京都の家』

自然素材と、工業化された製品の違いは何かをずっと考えている。
感覚的ではなくうまく説明できる言葉を。

ある本ではそれを『ゆらぎ』という言葉で表現されていた。

「銅板」は、雨に打たれ色が変わる。雨の当たり具合により色がまばらになる。

「瓦屋根」は焼き具合による色むらがあり、一枚一枚同じようにとりつけても均質ではなく多少のズレが伴う。

「柿渋」は木の種類により、濃淡が生まれ、均質な色にはならず、経年変化も進行速度もまばら。

「左官」の土壁は4層塗り重ねることで奥行きが生まれ、職人の手により微妙なバラツキが生まれる。
(吹付のスプレーガンを使う場合はこのバラツキは生まれない。)

この、ばらつきや不均一、微妙なズレを総じて『ゆらぎ』と言うらしい。

均一化を突き詰め、すべてをコントロールしようとする工業化された製品は
行き過ぎると息苦しくなる。

人は『ゆらぎ』を知覚し、それを拠り所に情緒や、落ち着き、居心地の良さを感じ取る。

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by tsuji-chika | 2017-10-17 13:58 | 『京都の家』

170916 atmosphere

『京都の家』

大工さんの手仕事が多くなる工事。

過去の現場では、
ある日現場に行くと棟梁が体調を崩し数日お休みされていることがあった。
振り返ると2、3の物件でそういうことがあったように思う。

職人として真面目で責任感が強い人程
ナーバスになり一心不乱に取り組みこちらが描いた図面に答えてようとしてくれる。

大工工事のピークを超えると
表情がやわらかくなる瞬間がある。やり遂げ達成感に満ちた表情だ。
その表情が見られるまでもう少し・・・。

今回の工事内容を考えると、棟梁にかかる負担は大きい。
他の現場をことわりながら、これにかけたいと臨んでくれている。
和歌山にもお越し頂き当事務所の仕事も見て頂いた。
場を明るくし、雰囲気がナーバスにならないように配慮頂いている。設計士としてもありがたい。

■大工工事が大詰め 
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by tsuji-chika | 2017-09-16 09:40 | 『京都の家』

170915 屋根

『京都の家』

日本建築の魅力は屋根で決まる。
勾配屋根が幾重にも重なることで、外壁に影を落とし陰影をつくる。

■打ち合わせが終わったのは19時。大工工事が大詰めです。
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by tsuji-chika | 2017-09-15 15:57 | 『京都の家』

170913 誰が描くか

『京都の家』

平面図や立面図といった一般的な図面だけあれば建物は建つ。
縮尺でいうと1/100やせいぜい1/50があれば十分。
枚数でいうと10~30枚で建っている家がほとんどではないかと思う。

しかしそれは決まりきったものを決まりきった方法で使う場合には必要十分ではあるが
『窓廻りの印象を深くしたい』などとちょっと変わったことをしようと思うとそうはいかなくなる。

縮尺でいうと1/5や1/2、時には原寸が登場し、枚数も1件あたり最低100枚は必要になる。

大工さんがすべてを請負っていた時代は
簡単な板図だけで、後は棟梁の頭の中に経験と図面があった。

分業化が進むとそうはいかなくなり、誰かが図面をきちんと描く必要が出てくる。
工期短縮、予算縮小、人材不足が著しい建築業界において、施工図という形で現場にそれを求めるのは難しい。
まだまだ納まりを理解する優秀な監督や職人がいて、現場ではいつも助けられるのだが
後10年すればそういった人も確実に少なくなる。

自分がそういう年齢になってきたということもあるが
尊敬する建築家が言っていた、
『やりたいことを形にする為には、めんどくさいことを請け負う覚悟が必要』という言葉。
今は、設計事務所が現場まかせにして楽をする時代ではない。

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by tsuji-chika | 2017-09-13 11:03 | 『京都の家』

170805 北山杉

『京都の家』

床柱に使う、北山杉を見に行く。
磨きから、絞り、大きさも様々でたくさんの北山杉が倉庫に眠っていた。

床柱に使えるように、まっすぐ、そして人工的(天然もありますが)に模様を付ける。
植林してから、30年で商品としての床柱となる。
今、amazonで購入できるもので30年も掛かって作られた物があるだろうか?
気の長い仕事だと思う。

話が飛躍するが
年月と手間を掛けて作られたものは、その分だけ長生きするのではないかと思っている。
昔の家は、最低1年掛けて作られた。今の住宅は最短で3ヶ月。どちらが長生きかは明らか。
何故そうなるかは今はわからないが、効率重視のひずみをソコカシコで感じてしまう。

■数ある中から一本を選定させて頂きました
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by tsuji-chika | 2017-08-05 10:26 | 『京都の家』

170708 図面の扱い方でわかること

『京都の家』

大きな計画になると図面の枚数も多くなる。
煩雑になる図面の管理は、工務店さんの大事な仕事。

経験上、図面をきっちりと製本し、付箋が貼られていたりする
工務店さん、大工さん、職人さんの仕事は丁寧でミスが少ない。
一手間を掛けることで、その後の作業がいかにスムーズに進むかを経験上分かられているからだと思う。

設計事務所としても
図面で仕事をしている以上、それが丁寧に扱われることは素直にうれしい。

■現場には各窓ごとに描いた詳細図が、ラッピングされて吊られている。
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by tsuji-chika | 2017-07-08 11:00 | 『京都の家』

170707 建築は曖昧さを内包する

『京都の家』

昔の建築家の図面集を見ていた時、「人が入れる寸法」と記載があった。

図面とは本来、明確な数字が記載されイメージした空間を
9mmや27mm、1,820mmと数字に置き換え誰が作っても同じものができるようにするものだ。

「人が入れる寸法」でとはなんて曖昧な表現なんだろう。
ましてや巨匠建築家の図面となればなおさら驚きを覚えた。

屋根が2枚重なるところ。
まさしくここがその部分なのだが、職人さんの作業を見ていると
腕が良くても、お腹かが出ていると無理だなと実感する。

建築のおもしろいところは
人が作り、人が使うということ。

もし、請け負った大工さんが大柄で、相撲取りのような体型だと
この屋根の隙間は大きくならざるを得なかったし、
お施主さんが、2mを超える長身の方であれば各部の有効が大きくなる。

建築は、人が入ることで曖昧さを内包する。そこがおもしろい。

■緊張感のある納まり
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by tsuji-chika | 2017-07-07 09:07 | 『京都の家』

170622 木を見に行く

『京都の家』

今回お世話になる北川造園さんに案内頂き、外構工事で使う木を見に行った。

現場から西へ向かう。
道中、石庭で有名な「竜安寺」、世界遺産「任和寺」の前を通りなんだか修学旅行のようだと。
見に行きたい気持ちで頭をクラクラさせながら、広沢池を左折し目的地へ到着する。

住宅地の中に突如と現れるあたりは、松田さんの畑とは違う。
工事は年末になるが、木を見るなら新緑の時期に。花をみたり葉色を確かめたりイメージをつかむ。

■畑には広沢池から水路を引き込んでいた。水遣りにつかっているようです。
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■山法師が花の時期です。
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by tsuji-chika | 2017-06-22 16:18 | 『京都の家』

170620 on the roof

『京都の家』

最近屋根の上ばかりのぼっている。
『京都の家』の屋根の上からは、衣笠山、そして京都五山送り火で有名な大文字が見える。

■衣笠山(標高201m)
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■大文字
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■けらばの骨組:かなり特殊な納まり。見せ場です。
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by tsuji-chika | 2017-06-20 16:03 | 『京都の家』

170613 第五の立面=屋根

『京都の家』

屋根は第五の立面として機能・意匠と共に大事な要素。
モダンな箱型の建物は、屋根を排除し外壁の四面のみで建物を構成することでシンプルさを生み出す。
清清しく今風なのだが、同時に雨から建物を守るという機能的側面を排除することになる為、時間に対する耐性が乏しい。

屋根を積極的に捉える。
『重なり』
『雨(夜露)よけ』
『エッジ』
『軒裏(見上げに対する意匠)』
『陰影』
キーワードとして書き出してみる。そしてひとつひとつに解釈を持って図面に反映する。
仕事は難しくなるが、仕上がりは大きく変わる。屋根は見せ場、勝負所。

■左:棟梁の大西さん。昼食後目を閉じ納まりを回想中。言葉は優しいですが目は真剣。
■右:搬入された軒先の部材(広小舞・淀)
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■左:勝手口へのアプローチ軒下を通る。
■右:屋根のエッジ。緊張感があります。
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by tsuji-chika | 2017-06-13 08:53 | 『京都の家』