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080530 20mmと30mm

「大野中の家」の主だった開口部には、障子が付きます。
障子を採用する理由は、拡散する光りが欲しいことと、障子がもつ断熱性能からです。

今回お世話になったのは、海南市の津村タテグ製作所、濱口さん。
今回の障子にはある「しかけ」がしてあり、少し難しい注文を出していたので
濱口さんのはからいで、先だって実寸の試作品を作って頂けることになりました。
(通常図面のみの打合せだけで、試作品を作って頂けるのはめずらしいことです。
 アリガトウございました。)

諸所の納まりは割愛して、
桟の見付け(正面から見たときの巾)について書きたいと思います。
障子はとても繊細な建具でして、
桟の寸法が1mm変わるだけでもその印象ががらりと変わります。

今回は、桟の見付20mmと30mmの二種類を試作品として製作し、
工場ではイメージしずらかった為、現場まで運んで頂き確認することにしました。
色々な工夫が見られる、とても素敵な障子になりそうです。

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by tsuji-chika | 2008-05-30 09:56 | 『大野中の家』

080529 葉っぱの「かたち」について

庭木の緑(植物)について考える時、
紅葉するかどうか、実がなるか、日陰に強いか弱いか、常緑樹か広葉樹か
といった観点から選ぶことになりますが、
ここで、葉っぱの「かたち」にまで踏み込みたいところです。

植物の印象を決定づけているのは、葉っぱの「かたち」であることが多いからです。
葉っぱの「かたち」で庭の印象が引き締まったり、やわらかくなったりします。
とても大事な要素です。

□一例

ハ-ト形  : カツラがその代表で、庭の印象がやわらかくなります。

楕円形    : 最近はやりのオリーブなど。

掌状(てのひらじょう)   : モミジがその代表、一目でモミジとわかる形状です。

のこぎり形 : ケヤキ、シラカシなど。

ちょっと意識してみてください、色々な葉っぱの「かたち」があることに驚かされます。

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by tsuji-chika | 2008-05-29 09:44 | 海南市の風景

080528 合併浄化槽の効果

下水道が整備されていない地域では、
合併浄化槽というものを各々の敷地内に設置しなければなりません。
潜水艦みたいなタンクを地中に埋め、台所やお風呂の排水、
便所からの汚水を合わせて浄化し、浄化された水を川に流すというしくみになっています。
合併浄化槽が設置されるようになってしばらく経ちますが、
川の水がきれいになっているのが目に見えて分かります。

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by tsuji-chika | 2008-05-28 10:07 | 海南市の風景

080527 木を選ぶ

一言で木と言っても建築材料として流通している木はたくさんあります。
木を扱うときにはそれぞれの特性を理解し諸所に選択する必要があります。

「大野中の家」では木製建具の枠廻りに、3種類の木を用いています。

□外敷居[米ヒバ]:耐久性に優れ、水に強いのが特徴です。
            インディアンが作っていたトーテンポールに用いられた木です。 

□内敷居[タモ]  :堅い木で、木目が楽しめるのが特徴です。
            足で繰返し踏まれる箇所なので堅木(かたぎ)は敷居に適しています。

□枠[スギ]:加工のしやすさ、コスト、日本の風土に良く合います。なんといっても部屋の雰囲
        気がやわらかくなるのが魅力です。

■加工された枠廻り。一つ一つ番号が付けられ組み上がるのを待っています。
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■3種の木の取り合い。
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by tsuji-chika | 2008-05-27 10:06 | 『大野中の家』

080526 窓の位置を決める

写真は、「大野中の家」の東立面です。
縦、横いろいろな所に窓が取り付けられています。

窓の位置を決めるには、2つアプローチがあります。

①外部から見て決定する。
建物の外部から見たときに、外観のバランスが悪くないか。
窓は、人間の鼻や目や口と同じで、建物の表情を左右する大事な要素です。
その位置や大きさ、全体の中でのバランスはとても大事です。

②内部から見て決定する。
建物の内部から見たときに、欲しい光や景色がきちんと切り取られているか。
実際生活する者は、建物の中から窓を通して外の景色と接することになります。
あけられた窓によって生活のスタイルが左右されると言っても過言ではありません。

2つのアプローチは、同時並行に考えられるのですが、
設計士それぞれによって、ウェイトの置き方が変わってきます。

「大野中の家」では、②の内部から見ての方にウェイトを置いて窓の位置を決定しています。

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by tsuji-chika | 2008-05-26 11:25 | 『大野中の家』

080524 火

火を見る機会が、以前に比べて少なくなりました。
外に出れば、ダイオキシン問題以降
枯葉を集めて焼き芋を焼くこともはばかれるようになりましたし、
台所では、安全性や掃除のしやすさといった観点から
IHクッキングヒーターが選択されています。

タバコを吸うお父さんがいる家や、仏壇があって線香を焚く家ならともかく、
普段の生活で火を見る機会が本当に少なくなりました。

「人間を人間たらしめているのは火を扱えることだ」と言う人がいるように、
大昔から人間の生活と火はとても身近なものでありました。

火の便利さや、怖さを知るのも
実体験として生活に火が存在している必要があります。
火を見ないで育ってしまう子供達が増えている現在、
生活の中で、もう一度、火の存在について考える必要があると思っています。

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by tsuji-chika | 2008-05-24 14:35 | 海南市の風景

080523 生垣

生垣には日本人の境界に対する考え方が表れています。
外敵の侵入を物理的に防ごうと思えばもっと堅牢につくるべきであるし、
視線を遮(さえぎ)りたければもっと背を高くするべきです。
日本人が曖昧にしか物理的な機能を果たさない生垣を選択できたのは、
ここから先は私的な場所ですよと暗に示唆することで
その機能を十分果たしうる社会的な暗黙のルールがあったからです。
そのような社会においては、竹を一本横渡しにするだけでも境界を示すことが可能でした。

■生垣のある風景
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■一本の竹により示された境界
子供がそのまま下をくぐって中に入ってしまうのを見ると、
社会的なルールというのは、生まれた後に形成されるものであることに気付きます。
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by tsuji-chika | 2008-05-23 09:26 | 海南市の風景

080522 巾362厚30の杉板

これだけ巾がある木は、高価になってしまうので
2枚に分けて接ぐことになるのですが(当然図面でも2枚に分けて描いていたのですが)、
棟梁のはからいで、1枚板を取り付けて下さいました。
しかも、無節(節のないことをいいます)。
笑いながら、「ふんぱつしたよ」と言って頂けたのはとてもうれしかったです。
この枠を見るだけでも、一見の価値はあるすばらしい窓枠が出来上がっています。

■鴨居よりも竪枠の方に良い材を使った方が見栄えするとのことです。
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by tsuji-chika | 2008-05-22 09:12 | 『大野中の家』

080521 色を付けるということ

建物の色を選択する場合、
その色が周辺の環境に与える影響についても配慮しなければなりません。
古くから、「向こう3軒隣り」という言葉があるように、
敷地内だけの事情でその色が決定されてしまうようでは、
ちぐはぐな街並みになってしまいます。
古い街並みが美しいのは、
限られた制約の中で材料が選択され、
微細なデザインの違いにより個性を生み出しているからだという人がいますが、
思い通りの色が自由に作り出せる現在の事情を考えると、
暗黙に理解されていた「向こう3軒隣り」の美意識を、
改めて自覚しなければならない時なのかもしれません。

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by tsuji-chika | 2008-05-21 12:17 | 海南市の風景

080520 下屋の存在

以前、「身代りとしての下屋」というタイトルで、
下屋(平屋)部分が取り付くことでの効果について書きました。
今回はその続編ということで、書きたいと思います。
写真を見て頂くと一目瞭然、
下屋が取り付くことで、建物の横方向に広がりが生まれています。
2階部分の屋根と、平屋の屋根に重なりの効果も生まれ
実際現場に立つとその坪数(延べ39坪)以上の大きさが感じられます。
また、下屋が建物の重心をぐっと低く抑えてくれるので、
全体に安定感を生み出しているのがよくわかります。
この安定感というのはとても重要で、
建物の雰囲気を決定づける大事な要素となっています。

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by tsuji-chika | 2008-05-20 11:19 | 『大野中の家』