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160423 『奈良の家』-計画vol.3-

プロジェクトの道筋は、係わるすべての人が性善説に立つことによって遠くにいける。

特に住宅の場合、計画からスタートして最低1年~2年は
密な関係でお施主さんと建てる側がお付き合いすることになるのでその関係はとても重要。

不信コスト(「自分」の壁/養老 孟司著)に余計な労力と、能力を割いて
チャレンジをせぬままおそるおそる計画を進めることは、ただただ事務的な作業に終われ
建築を創造する楽しい部分を味わうことができない。例え同じ結果の建物が作られたとしても
満足感を得ぬまま、ただ苦い思い出だけが残る。

家を建てる時にお施主さんに必要な見極めはこの点に尽きると思う。
「性善説に立てるかどうか?」

今回のプロジェクトには登場人物が多かった。
積水ハウスさんの、営業担当Tさん、設計担当Yさん、コーディネーターのYさん、外構担当Nさん
現場担当Aさん、そしてお施主さんと、お施主さんが連れてきた設計士。。。

そして今回係わった人皆が前のめりになって、プロジェクトに集中できたことは大きかった。
積水さんにとっては、外様の設計士が入ることで普段必要の無い手間と労力が発生しとてもやりにくかったと思う。
しかし、そういった労を一切顔に出さず(私は敏感に察する方です(笑))
どんなことを提案するのか、どんな話をするのか、どんな考え方をするのか興味を持って頂きながら
接して頂いた。一度、皆さんで和歌山に来られ当事務所の建築を見ていただけたこともうれしかった。

奈良の打ち合わせが終わり帰りの車中。
ふわふわしていた自分の立ち位置がしっくりくるタイミングがあった。
各々がそれぞれの分野でプロフェッショナルなのだから、プロフェッショナルの力を積極的に発揮してもらおう。
そう考えることで、自分だけに残された役割を意識することができた。

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by tsuji-chika | 2016-04-26 07:08 | 『その他工事』

160425 劇的にしない

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

有田の家3。まずは台所が完成しました。
築80年の旧家のリフォーム。
住みながらの工事となる為、部屋ごとに仕上げていきます。

さて、計画について。
お父さんとの会話の中にちりばめられた様々なヒントをもとにイメージを膨らませています。
特に、台所正面窓の向こう側に見える柿の木。
はじめてお伺いした時に熱心に語られる思い出話を聞き計画のポイントにさせて頂きました。

TVの影響もあってリフォームというと
間取りを大きくいじり、様々な操作をして劇的な変化を求められてしまのですが
既存の建物に対して不満が多い場合はそれで良いかもしれないですが
今回のように、長年住まわれていて愛着も感じられている場合は劇的にしない方がうまくいく。

設計士の立ち位置としては
不満を改善しながら、耐震補強を行い、傷んだところの修繕、断熱性を確保して
お施主さんが感じておられる
共感できる良い面をブラッシュアップさせることに尽きる。

■バランスをとりながら良い面をのばしていくこと
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by tsuji-chika | 2016-04-25 06:50 | 『有田の家3』

160423 『奈良の家』-計画vol.2-

「小さい頃、工作や絵を描くことが好きでしたか?」と聞かれることがある。
その答えはNo.で他の子に比べ特に秀でた才能は無かったし設計士になった今でもそう思う。

唯一設計士らしい才能としては
一度お伺いさせて頂いた家の間取りを覚えるのが得意というのがあって
子供の頃遊びに行ったことのある家の雰囲気は
今でも鮮明に覚えているし簡単な間取りを描くこともできる。

理屈をつけると、空間とセットになって記憶するのが得意で
設計士として仕事をはじめてからは、そこに素材感、ディテール、雰囲気が加わるようになったと思う。

さて、積水ハウス/登美ヶ丘展示場。
上品で落ち着きのある仕上がり。床にはウォールナットの無垢材に壁は珪藻土。
普段持っていたハウスメーカーさんに対するイメージ、考え方がすぐに払拭された。
特に印象的だったのが庭(外構)の存在。
周辺環境と建物内部の緩衝帯として丁寧に処理され
植えられている山採りの木は繊細で上品でうらやましいぐらい。

これから積水ハウスさんとの仕事をということでまずは何ができるかを把握したかった。
新しいゲームをはじめるのに、手持ちのカード、ルールを覚えるようなもので
特にハウスメーカーさんとなれば、そのルールが徹底管理されているだろうから
何が出来て、何が駄目で、何処がグレーゾーンかをこの展示場から教えて頂いた。

おおよその結論としては
モデュール、高さ方向には制約があるもののその他に関しては自由度がとても高い印象。

以降、展示場での経験を頭に入れながら計画を膨らませていくことになる。

■まずは勉強から
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by tsuji-chika | 2016-04-23 05:29 | 『その他工事』

160422 『奈良の家』-計画-

まずは敷地に立つことから。
竹やぶを切り開いて造成された整然とした土地。
高台に位置し東側の眼下に生駒の住宅街が連なる景色。

どこでも同じように感じるのが
土地が造成されると整然となりすぎ、まわりとの文脈が一旦切れているので設計の糸口が難しい。
残されるのは、方位や前面道路との関係、高低差などに限られてくる。

幸いこの土地には、東側の景色と、南側の竹やぶが残されていた。
お施主さんもその点を気に入られていたのは明白だったので、間取りのイメージはそこから膨らませていった。

敷地に立つとおおよそここにはお父さんの部屋
ここはLD、水周りはこのあたりにしてと具体的な間取りを想像する。
糸口を頼りに部屋の序列を付け優先的に配置していくと選択肢がそれ程ないことが見えてくる。

大きな家になることが予測されたので
ボリュームを分割しながら威圧的な存在にならないよう注意したいと考えた。
建築的には東側に飛び出したお父さんゾーンのボリューム、外壁をガイドに
視界を整理するとでLDから豊かな景観を確保できそうだと想像していた。

街区の進入口に位置するのでプライバシーの問題も懸念されたが
幸い前面道路との高低差があったので少し塀を立てればうまく解消されそうに感じる。

気さくなお父さんの人柄を想像すると
前面道路の近くにお父さんの部屋が配置されることもそれほど無理がなかった。

所見でおおよそのあたりを付け
インフラの確認、敷地境界の処理、風の向き、周辺環境(近隣の様子)など
事務的な部分を確認していよいよ積水さんのショールームへ。

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by tsuji-chika | 2016-04-22 06:12 | 『その他工事』

160421 『奈良の家』

家を建てるのでと連絡があったのが丁度一年前。
土地は奈良県生駒市。積水ハウスさんの分譲地。
高台で東側(朝日の方向)に視界が抜け、竹やぶがゆらゆらと揺れる静かな土地。

分譲地の3区画を使っての大きな住宅。
施工は積水ハウスさんということで、協同で設計を進めていくことになりました。

ハウスメーカーと設計事務所という世間では相容れない立場の者同士が
計画を進めるにあたって、いやはやどうなるかとお互いに緊張してのスタートだったのが懐かしい。

お施主さんの寛大な庇護のもと(笑)
担当して頂いた、営業のTさん、設計のYさんをはじめ
コーディネーターのYさん、外構のNさん、現場監督のAさんと各部門のエクスパートが
前のめりになって設計を後押ししてくださりすばらしい仕上がりになっています。

現在、お施主さんは新しい生活をスタートさせ、現場は外構の残工事のみとなっています。

積水ハウスさんとの協同作業。
設計事務所をしている限り一生経験できない体験をさせて頂きました。
少しずつ記録に綴っていきたいと思います。

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■昨年10月の様子
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by tsuji-chika | 2016-04-21 08:48 | 『その他工事』

160415 和風というスタイル

重根の家3∥和歌山市の家 ∥有田の家3∥上の家

和風の建築スタイルと言われることが多くなった。
なるほど振り返ると、木や障子をたくさん使うのでそんな風に思われるのかと・・・。

当の本人は全くそのつもりで設計したつもりは一度もないし
興味の対象として、居心地や光の入り方、素材感に気持ちがあるのであって
表層的なスタイルに一切、興味は無い。

スギとヒノキを使っているところを
オークやチークに置き換え、
障子であったところをレースのカーテンに置き換えると
和風が北欧になり、和風がモダンな印象になる。
極論を言うとクロスの柄一つで和風にも洋風にもなる。
表層的なスタイルに執着することに意味がないと思っている。

この写真を見て和風と呼ぶか、西洋的な光の入り方と見るのか
それは見る側の問題であって
設計する者としてはもう少し深い部分で建築を考えていたいと思う。

■落ち着くかどうか・気持ち良いかどうか
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by tsuji-chika | 2016-04-15 09:09 | 『和歌山市の家』

160412 山長さんの木

重根の家3∥和歌山市の家 ∥有田の家3∥上の家

縁あって今回の建物に使用させて頂きました
山長商店さんの木。
床材はヒノキ、天井板はスギ、共に無節。
高温蒸気圧減圧乾燥木にてじっくり乾燥させられた木の色合いは
強引に人工乾燥させた生気の無い木とは一味違う。これで狂いが少ないとなれば
すばらしい仕上がりです。さすが、Gデザイン。

■寝室:サッシ内側に内雨戸が入ります
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■南側の床はカーペット敷きになります。ほこりが溜まるのでカーペットは最後に仕上げます。
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■内玄関を見る
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■書斎ロフト:LDの吹き抜けにつながります
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■内玄関:土間は錆御影ビシャン
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■床はヒノキ:独特の香りとやさしい木肌
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■組子の建具:距離を作る仕掛け
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by tsuji-chika | 2016-04-12 09:31 | 『和歌山市の家』

160406 記憶を切り取る

重根の家3∥和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

台所に立つ、お母さんやお父さんにとってずっと見慣れた景色。
樹齢100年を超える柿の木をはじめ、あらためて記憶を継承するように窓の配置を整えた。
お父さんから「すっきりしたなぁ~」とお言葉を頂戴しうれしくなった。

住みながらの工事になる為
まずは台所部分を完成させてから、仏間などの工事に移ります。

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by tsuji-chika | 2016-04-06 11:35 | 『有田の家3』