080524 火

火を見る機会が、以前に比べて少なくなりました。
外に出れば、ダイオキシン問題以降
枯葉を集めて焼き芋を焼くこともはばかれるようになりましたし、
台所では、安全性や掃除のしやすさといった観点から
IHクッキングヒーターが選択されています。

タバコを吸うお父さんがいる家や、仏壇があって線香を焚く家ならともかく、
普段の生活で火を見る機会が本当に少なくなりました。

「人間を人間たらしめているのは火を扱えることだ」と言う人がいるように、
大昔から人間の生活と火はとても身近なものでありました。

火の便利さや、怖さを知るのも
実体験として生活に火が存在している必要があります。
火を見ないで育ってしまう子供達が増えている現在、
生活の中で、もう一度、火の存在について考える必要があると思っています。

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# by tsuji-chika | 2008-05-24 14:35 | 海南市の風景

080523 生垣

生垣には日本人の境界に対する考え方が表れています。
外敵の侵入を物理的に防ごうと思えばもっと堅牢につくるべきであるし、
視線を遮(さえぎ)りたければもっと背を高くするべきです。
日本人が曖昧にしか物理的な機能を果たさない生垣を選択できたのは、
ここから先は私的な場所ですよと暗に示唆することで
その機能を十分果たしうる社会的な暗黙のルールがあったからです。
そのような社会においては、竹を一本横渡しにするだけでも境界を示すことが可能でした。

■生垣のある風景
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■一本の竹により示された境界
子供がそのまま下をくぐって中に入ってしまうのを見ると、
社会的なルールというのは、生まれた後に形成されるものであることに気付きます。
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# by tsuji-chika | 2008-05-23 09:26 | 海南市の風景

080522 巾362厚30の杉板

これだけ巾がある木は、高価になってしまうので
2枚に分けて接ぐことになるのですが(当然図面でも2枚に分けて描いていたのですが)、
棟梁のはからいで、1枚板を取り付けて下さいました。
しかも、無節(節のないことをいいます)。
笑いながら、「ふんぱつしたよ」と言って頂けたのはとてもうれしかったです。
この枠を見るだけでも、一見の価値はあるすばらしい窓枠が出来上がっています。

■鴨居よりも竪枠の方に良い材を使った方が見栄えするとのことです。
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# by tsuji-chika | 2008-05-22 09:12 | 『大野中の家』

080521 色を付けるということ

建物の色を選択する場合、
その色が周辺の環境に与える影響についても配慮しなければなりません。
古くから、「向こう3軒隣り」という言葉があるように、
敷地内だけの事情でその色が決定されてしまうようでは、
ちぐはぐな街並みになってしまいます。
古い街並みが美しいのは、
限られた制約の中で材料が選択され、
微細なデザインの違いにより個性を生み出しているからだという人がいますが、
思い通りの色が自由に作り出せる現在の事情を考えると、
暗黙に理解されていた「向こう3軒隣り」の美意識を、
改めて自覚しなければならない時なのかもしれません。

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# by tsuji-chika | 2008-05-21 12:17 | 海南市の風景

080520 下屋の存在

以前、「身代りとしての下屋」というタイトルで、
下屋(平屋)部分が取り付くことでの効果について書きました。
今回はその続編ということで、書きたいと思います。
写真を見て頂くと一目瞭然、
下屋が取り付くことで、建物の横方向に広がりが生まれています。
2階部分の屋根と、平屋の屋根に重なりの効果も生まれ
実際現場に立つとその坪数(延べ39坪)以上の大きさが感じられます。
また、下屋が建物の重心をぐっと低く抑えてくれるので、
全体に安定感を生み出しているのがよくわかります。
この安定感というのはとても重要で、
建物の雰囲気を決定づける大事な要素となっています。

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# by tsuji-chika | 2008-05-20 11:19 | 『大野中の家』