161125 シークエンス=連続

『上の家』

家に入って、居間に至るまでの流れを考える。

(写真1):細長い玄関土間から入り、先への期待感を膨らませる。
(写真2):靴を脱ぐとき振り返って見る壁。日光が入り少し気持ちが楽になる。
(写真3):玄関はあくまでもすっきりと流れを遮断しないように。小さな扉の向こうに部屋の様子が見える。
(写真4):前室に入る。ラワンベニアの天井、リネンのカーテン、絨毯、アイキャッチになる重心の低い照明とデイベッド。
一気に温かさを感じる。おそらく足裏から伝わる絨毯のやわらかい感触で肩の力も抜けている。
(写真5):佇まいをただしあらためてLDを見る。この先一体どうなっているんだ・・・。

建築の古典的な手法。シークエンスの醍醐味が味わえる計画です。

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# by tsuji-chika | 2016-11-25 05:15 | 『上の家』

161124 半年が経ち・・・

『上の家』

今年の7月末に引渡しをさせて頂きました『上の家』。
昨日竣工写真の撮影をさせて頂きました。

もともと、重量鉄骨造の倉庫を改修され住居として住まわれていましたが
ご縁頂戴して、あらためて改修をさせて頂きました。

重量鉄骨造特有の大きな空間を
天井・床に段差を設けることでゆるやかに分割し、部屋毎にリズムを設けています。

玄関から入るとすぐにカーペット敷きの前室に入ります。
LDKの大きな空間にポンっと入るのではなく
間に少し小さな部屋を介することで全体の馴染みを良くしています。
カーペット敷き、ラワンベニアの天井仕上げとあいまって温かい印象の部屋になっています。
窓際には横になれるようデイベッドが造られています。

今回の改修では
天井にダウンライトやシーリングライトなどの照明をつけないことをテーマに計画を進めました。
天井に付属物が無いことで非常にすっきりとした印象に感じて頂けると思います。

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# by tsuji-chika | 2016-11-24 11:33 | 『上の家』

161012 正倉院

新しくトレンドのものを見ること、古くて長い年月を耐えてきたものを見ること。
その両方を学ぶことが建築を考えるにはとても大事だと思っている。

時代の流れに左右されない為にも大きな時間軸をもって建築を考えおく必要がある。
建築が特に住宅が、10年や20年といった早いサイクルで消費されるものであってはならない。

正倉院。
奈良の大仏で有名な東大寺の宝庫として建てられた、大きな宝箱。
高床式の校倉造り。ゆったりとした大きな屋根と、床下の風通し、ねずみ返し等。
何よりも動物的な、少し愛嬌のある独特なフォルムは親しみ、愛着を感じさせる。
幾度と危機があったと思うが、のりこえてきたのはそのあたりに秘訣があるのではないかと思う。

■繰り返し何度と見たくなる。また行こう・・・。
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# by tsuji-chika | 2016-10-12 05:37 | 奈良の風景

161005 奈良ホテルvol02

圧巻は玄関ロビーの大階段。
左側面の壁は漆喰で仕上げられている。
何人もの職人さんが一斉に取り掛からないと
これだけ大きな壁をきれいに仕上げることができない。

踊り場の窓から入る光が壁を沿うので凹凸が目立つ。
多くの職人さんが尻込みしたのが想像できる。

館内に使われている材料は木と漆喰と絨毯、真鍮の金物と限られた材料。
これだけ少ない材料で奈良を代表する(当時は国家プロジェクトとして)
計画されたのだから驚きを隠せない。建築家に残されたのは、寸法と配置。

仕上がった空間は100年経った今でも現役。
これだから建築はおもしろい。

■隠れた立役者は照明。必要なところに光が置かれ、必要なところに影がある。
→陰影が室内の雰囲気を支えている
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# by tsuji-chika | 2016-10-05 05:52 | 奈良の風景

161004 奈良ホテル-辰野金吾-

東京駅、日本銀行を設計した辰野金吾による奈良ホテル。
木造、築100年以上経つが現役として使われている。

外観に用いられている材料は瓦屋根に、真壁、漆喰と、腰板と
一見すると和風スタイル。しかし和風と捉えてしまうとこの建物の本質を見失う。
窓の割付は縦長のプロポーションで英国のチューダー様式を彷彿とさせる。
内部は和風の建築が持つ水平方向に広がる拡散していく空間ではなく
竪に長く、部屋がひとつひとつ完結しロビーを中心に求心性の持った間取りになっている。

和風の皮をかぶった西洋スタイルが奈良ホテルの本質。
東京駅に通じる空間は辰野スタイルだと言える。

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# by tsuji-chika | 2016-10-04 09:23 | 奈良の風景