メーカーが出しているカタログの中から
サッシや便器、クロスなど建築に関わるあらゆる商品を選ぶことができる。
年度が変わる度にカタログが更新され、キャッチな新商品がどんどんと開発されています。
設計事務所の仕事においてそういったカタログの中から
商品を選んで採り入れていくことは避けられない現状になっていますが
依存しすぎることは良くないと思う。
同じサッシを使うにしても納まりを読み解き片引き窓に応用したり
ガイシのソケットと電球を組み合わせれば照明器具だって作ることができる。
現場では(便宜上ではあるかもしれないが)一応、『先生』と呼ばれているのだから
設計の段階で『先に生みだす』作業をしてこそだと思う。
カタログから珍しい商品を選んできてこれがデザインですというのは少し違う。
さて約50年前に建てられた愛知県立芸術大学。
当時、限られた材料(コンクリート・石・鉄・ガラス・ラワン)で作られ
カタログなどは皆無だったと想像できる。
すべての詳細に建築家の考えが反映され既製品の寄せ集めで作られた建物とは趣きが違う。
反カタログ建築の存在としてこの規模で実現されている事例は少ない。
そういった視点で見るとまた面白い見方ができると思います。
■あらゆるところがキッチリと考えられています





辻・近川建築設計事務所