『ひとり親方』という言葉。
あまり耳慣れないと思いますが、最近この言葉を考えることが多い。
ここで言う『ひとり親方』というのは
ひとりで独立して職人をしている人のことを言い
『職人さん』と聞いてイメージする親分、子分(徒弟制度)で活動していない人をさす。
『ひとり親方』が増えている。
工事費の減少に伴い親分が子分を養えなくなっているというのがその背景。
人手が足りない時は同業者の『ひとり親方』に声を掛け物件毎にやりくりをしているのが現状。
何が問題かというと、『職人さん』=『徒弟制度』という構図が成り立たなくなり
技術の伝承ができなくなってしまう。
後10年もすれば、木に墨付けをできない大工さんが増えるのは間違いないし
20年もすれば本当の『職人さん』と呼ばれる人は激減している。
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大野中の家1を施工して頂いた赤土建設の棟梁天野さんが描かれた板図
天野さんは図面をもとに一度自分で板図をおこす
こうすることで頭の中に問題点が整理されると言われておりました
当時この作業を朝方まで行いつたない図面をフォローして下さったのを思い出します
辻・近川建築設計事務所