130803 栗林公園掬月亭vol.1

栗林公園(りつりんこうえん)の中にある掬月亭(きくげつてい)。

日本の建築空間/新建築社
によると
江戸時代後期に建てられ
藩主たちが庭を訪れた際の休憩や、食事、遊興に使われていたとのこと。

この掬月亭(きくげつてい)
意中の建築(下巻)/中村好文著・戸袋に消える128枚の雨戸」を読んでから
こんな納まりもあるのかと記憶に残っていた建物。
開放感の極地というべきこの建物
雨戸をすべて戸袋にしまうと柱だけとなり(ほとんど壁がない)内と外が一体となった空間となる。

外壁の役割を雨戸が担っているようなもので
1本の敷居溝に何十枚もの建具が行儀良く並ぶ。

am8:30に掬月亭に到着しam9:00からの営業に向けて雨戸を開ける儀式を見る。

受付の女性の方(3名程)が軍手をはめ、手馴れた様子で雨戸を開けていく。
見所は角のところ(写真右上)。
1本溝をX方向に走ってきた雨戸がクルッと90度回転して再びY方向に走っていく。
角の所には(写真左下)、鉄の丸棒が立てられそれを軸に廻るのである。

いとも簡単にクルッと廻してスッーと走らせるを繰り返すのでなんだ簡単だと
見過ごしそうになるのですが
一度溝から建具を脱線させてから再び溝に入れるという
図面でこれを考えろと言われたらお手上げになりそうな見事な納まり。

■雨戸をクルッと廻してスッーと送る様子(写真右下)は必見
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elmarit f2.8/28(2nd) 辻・近川建築設計事務所
by tsuji-chika | 2013-08-03 09:22 | 四国の風景 | Trackback | Comments(0)
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