「小さい頃、工作や絵を描くことが好きでしたか?」と聞かれることがある。
その答えはNo.で他の子に比べ特に秀でた才能は無かったし設計士になった今でもそう思う。
唯一設計士らしい才能としては
一度お伺いさせて頂いた家の間取りを覚えるのが得意というのがあって
子供の頃遊びに行ったことのある家の雰囲気は
今でも鮮明に覚えているし簡単な間取りを描くこともできる。
理屈をつけると、空間とセットになって記憶するのが得意で
設計士として仕事をはじめてからは、そこに素材感、ディテール、雰囲気が加わるようになったと思う。
さて、積水ハウス/登美ヶ丘展示場。
上品で落ち着きのある仕上がり。床にはウォールナットの無垢材に壁は珪藻土。
普段持っていたハウスメーカーさんに対するイメージ、考え方がすぐに払拭された。
特に印象的だったのが庭(外構)の存在。
周辺環境と建物内部の緩衝帯として丁寧に処理され
植えられている山採りの木は繊細で上品でうらやましいぐらい。
これから積水ハウスさんとの仕事をということでまずは何ができるかを把握したかった。
新しいゲームをはじめるのに、手持ちのカード、ルールを覚えるようなもので
特にハウスメーカーさんとなれば、そのルールが徹底管理されているだろうから
何が出来て、何が駄目で、何処がグレーゾーンかをこの展示場から教えて頂いた。
おおよその結論としては
モデュール、高さ方向には制約があるもののその他に関しては自由度がとても高い印象。
以降、展示場での経験を頭に入れながら計画を膨らませていくことになる。
■まずは勉強から



辻・近川建築設計事務所Instagram