和歌山市の家∥有田の家3
∥上の家
この計画の難しかったところは、色の調和。
大きくわけると3種類の色が混じる。
1:木の色そのまま→新しく使ったスギやオークの色。着色せずそのままの色
2:既存の木の色→日に焼け、エイジングにより茶色に
3:玄(クロ)→大壁に変更した奥の部屋の既存柱や天井に使い印象をしめる
お施主さんとの打ち合わせでも
それらがチグハグに混じり合い収拾がつくものかと不安もあった。
施工側としても可能な限り
色の調子、艶を整え、一本ごとの柱、鴨居、建具の塗り分けを指定して施工して頂いた。
おそらく南側からの太陽光が部屋の隅々まではっきりと明るくうつしだす建築だと
嘘っぽく、薄っぺらい印象になったかもしれない。
以前、漆塗りの器や掛け軸や雛人形等の見え方について書いたが
(陰影礼賛
http://tsujichika.exblog.jp/24333033/)
影をまとうことで全体の調子が整っているのが写真を通してよくわかる。
古民家風に建てられた家はたくさんあるが
どうもうまくないものが多いのは、そこにあるべき影がないからで明るすぎるのではないだろうか。
■(左)玄(クロ):柿渋にベンガラを混ぜ黒に近い茶色を作った
■(右)四季折々:眼下につつじや紅葉が見える


■(左)足元を明るく照らす
■(右)気配を重ねる


■(左)recycle:良い物(建具)は可能な限り再利用する。記憶の継承
■(右)洗濯室:土足で利用できる。収納の扉は玄関に使っていた舞良戸

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