170913 誰が描くか

『京都の家』

平面図や立面図といった一般的な図面だけあれば建物は建つ。
縮尺でいうと1/100やせいぜい1/50があれば十分。
枚数でいうと10~30枚で建っている家がほとんどではないかと思う。

しかしそれは決まりきったものを決まりきった方法で使う場合には必要十分ではあるが
『窓廻りの印象を深くしたい』などとちょっと変わったことをしようと思うとそうはいかなくなる。

縮尺でいうと1/5や1/2、時には原寸が登場し、枚数も1件あたり最低100枚は必要になる。

大工さんがすべてを請負っていた時代は
簡単な板図だけで、後は棟梁の頭の中に経験と図面があった。

分業化が進むとそうはいかなくなり、誰かが図面をきちんと描く必要が出てくる。
工期短縮、予算縮小、人材不足が著しい建築業界において、施工図という形で現場にそれを求めるのは難しい。
まだまだ納まりを理解する優秀な監督や職人がいて、現場ではいつも助けられるのだが
後10年すればそういった人も確実に少なくなる。

自分がそういう年齢になってきたということもあるが
尊敬する建築家が言っていた、
『やりたいことを形にする為には、めんどくさいことを請け負う覚悟が必要』という言葉。
今は、設計事務所が現場まかせにして楽をする時代ではない。

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by tsuji-chika | 2017-09-13 11:03 | 『京都の家』 | Trackback | Comments(0)
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