180406 名刺

屋号も変わったことで新調した名刺。
昔ながらの鉛合金の版を用いた活版印刷にて製作をして頂いた。
レイアウトは芯揃えで一番ベーシックに整え
紙はコットンペーパー(199kg)の生成り色に文字は黒インク。

鉛合金の版を用いる場合は版が定型である為余計な小細工ができない。
活版印刷の為に改良を重ねられた書体は洗練され何よりも読みやすい。

現在名刺をつくるには、
PC上で好きなフォントやサイズを感覚で選び自由にレイアウトしてプリンターで印刷するのが主流。
どんなデザインでも作れるということがメリットだと言える。
しかし、その自由度の高さが良い方向に出ているのだろうか?
オリジナルと称して作られた凝ったデザインの名刺で良いと思うものはすごく少ない。

今回名刺を新調するにあたって名刺について考えてみた。

名刺を頂くと一時の間、名刺入れや財布の中、デスク上や引き出しに保管することになる。
つまり渡された人にとってその名刺が所有物となる。
その名刺が、派手なレイアウトでどうだと言わんばかりに主張するものであれば
チラ、チラっと気になって仕方がない。それが嗜好に合わないものであればすぐさま
目の届かないところに追いやられてしまう。

人の生活に入り込む以上は失礼があってはいけないと思う。
少なくともテーブルの上にポンと置いていても、財布の中に入っていても
不快な存在にならないようにしたい。
人づてに名刺が渡ったときに余計な先入観や嫌悪感を与えないようにしたい。
限りなくニュートラルな存在であるべきだと思う。

活版印刷の文字サイズやフォントやレイアウトは
一個人の嗜好が反映されたものではなく、技術の積み重ねや実践を通して洗練されてきた。
そこには、普遍性が宿っていると僕には見えた。

その考えがどうだったか
確認するように、仕上がった名刺をテーブルの上に置いて仕事をしている。

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辻健二郎建築設計事務所
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by tsuji-chika | 2018-04-06 13:32 | 道具
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