『新宮の家』
写真の構図のテクニックのひとつとして「見せすぎない」というものがある。
限られた画角で切り取られる写真にとって
見えていない部分に想像力の働く余地があることで実体以上の広がりを見せる。
それが写真のおもしろさ。
掃きだし窓の壁。
密集した土地に建ち唯一小さな庭に開放された掃きだし窓。
普通に解けばすべてを開口部として庭と室内が1:1の関係をつくるところ。
しかし、すべてを見せることで想像力の働く余地がなくなり
見た大きさ=実際の大きさ
となってしまう。
そこであえて真ん中に壁を設けることで死角をつくり
見た大きさ>実際の大きさ
となるよう仕掛けてみた。
結果は上々。この壁はうまいと思う。

■景色が分断されていることで無意識に空白を埋めるよう想像してしまう
辻健二郎建築設計事務所Instagram