『新宮の家』
昔は圧倒的な森林資源を武器に製紙工業で栄えた新宮市。
飲食店が集まり大きな商店街が街中につくられ、地区指定としては商業地域で準防火地域。
立派な都会・・・。
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余談にはなるが、主要都市から離れている新宮市では全国展開するチェーン店の参入が少なく
今でも個人経営の飲食店が数多く残る。
中華、和食、寿司、イタリアン古くからやっているであろう店に
お施主さんと昼食をご一緒するのも楽しみな時間だった。
海南市においてはそういった飲食店はほとんど大手チェーン店に置き換えられ
新宮で経験する、ハンバーグランチは近所にあったシャトレを思い出させてくれた。
外から見ると、たくさんある個人経営の飲食店の存在が、新宮の魅力(個性)なのだと思う。
隣地境界からは建物の足場が組めるクリアランスを確保し
敷地をトレースするように素直に平屋を建てた。
手前の車庫は道路高さに合わせ、奥の居住部は熊野川の氾濫に備え地盤面をかさ上げしている。
おおきくゆったりとした切り妻屋根を載せることで外からは、そういった作為を感じることがないようにし
土地に馴染み良い姿にしています。
深い軒が道路との程よい緩衝帯となることで奥行きを作り、
袖壁のスリットは単調になりがちな妻面のアイストップとしてキリリと良いアクセントになったと思う。


辻健二郎建築設計事務所Instagram