『白浜の家』
できてしまうと、意識下に落ちてこない細部(detail)。
建築はそのdetailについて打合せを重ね、意思決定をし作り上げていく作業。
設計士は図面で考え、大工や職方はそれをどう作るか考え部材を切ってひとつずつ組み上げていく。
白浜の家のdetailは
川久のように凄いなこれはという派手なものではない。
『detailの積み重ね』という言葉が好きだ。
一つの建物にあって、一つの角が数ミリ単位でどのように納まっていようが関係ないように思う。
それよりも一つの壁を大理石で仕上げた方が余程インパクトが大きいと考えるのが普通だ。
しかし、
素材が豪華でもdetailが残念な建物はパッとしないが(こういう建物が多い)、
素材は質素だがdetailに緊張感がある建物には凛とした雰囲気・緊張感が漂う。
だから何よりもdetailが大事だと考えている。
■ポーチの階段:石ではなくタイルを留めにして納めて石のように見せた
■玄関ドア:外壁の板を建具に使い木目を揃えた
■戸袋:外壁の厚みを利用して端部が留めに納まっている
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垂木:先端を斜めにカットしている。直角にカットすると木が裂けやすい欠点をカバーしている。
デザインとしても軽快なリズムが生まれた。
■FIXガラスのステンレス枠:鈍く光るようにバイブレーション仕上げとした



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