20201010 byebye Aeron Chair

リモートワークに切り替わり自宅で仕事をする人も増えている。
問い合わせ頂いたお施主さんにも
リモートワークで家を建てることにしたという方がいる。

リモートワーク歴12年(笑)の経験者から少しだけ書いておきます。

学生の頃から憧れていたアーロンチェア
独立の時に思い切って購入し12年もの間壊れずに僕を支えてくれた。
座り心地、蒸れなさ、丈夫さ、デザインどれをとっても文句が無い。
外から帰ってきて、
机の前に置かれたアーロンチェアを見るとほっとするのは今でも変わらない。
座った時の筋肉の緊張がほぐれる感じも他の椅子ではなかなか得ることができない。

でもそんなアーロンチェアを引退させた。

快適で疲れにくい椅子というのは、
裏を返すと筋肉を使わない力が抜けた状態を作る。
そんな椅子にずっと座っていると、
だんだん、ダンダン、段々と筋力が落ちてきて猫背、腰痛になってくる。
ここで、通勤の為に徒歩や自転車を使って
自動的に体を動かすことになっている人は良いのだが
リモートワークとなると一日の歩数が200歩となる日も。

運動しない⇔楽な椅子に座るループを繰り返すと
誰でもその顛末がどうなるか想像がつくと思う。
いよいよ、猫背や悪い姿勢がひどくなり、
結果、腰痛が慢性化して病院やマッサージ通いになる。

その時に、腰痛を椅子のせいにすることはできない。
だって高額で皆が快適と言っているアーロンチェアに座っているんだから・・・。
症状が悪化してから3,4年その問題に気付くこともなく
歳だからしょうがないと騙し騙しやってきたが
いよいよアーロンチェアを疑いはじめた。
アーロンチェアというより、快適な椅子というものを・・・。

試行錯誤した結果、背もたれが問題なのではという結論に。
いきなり話が飛躍するが
背もたれがあることで長時間座っているとどうしても骨盤が後傾してしまう。
じゃー背もたれがなかったら良いのでは?という仮説をたてた。
イメージは乗馬をしている人。
江戸時代、大阪から東京まで馬で移動していたんだから
体幹も鍛えらて腰にも良さそうということで最後は無茶苦茶な
想像力でVarierのMoveを導入。

これが良い結果を生む。

座っている時の嫌な鈍い腰の痛みから解放され、
ゆらゆらしながら座りつつパッと立ったりするのもスムーズ。
姿勢が悪くなってきた時にさっと骨盤を起こす感覚も気持ちが良い。

ただ、これだけだとやれやれというタイミングが無いのも事実。
横にNychairを置いて、オンとオフを切り替える。
こちらは狭い部屋で折りたためて邪魔にならずに便利。

ということで長くなりましたが、テレワークの椅子問題として
今のところ一番の組み合わせだと思います。

アーロンチェアは決して悪い椅子ではありません。
ただし、運動やストレッチとセットで考えないと楽に座れる椅子だからこそのリスクもあります。

■楽なものは人間を退化させる/Easy things degenerate humans
20201010 byebye Aeron Chair_b0129659_08300317.jpg
辻健二郎建築設計事務所
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by tsuji-chika | 2020-10-10 20:31 | 道具 | Trackback | Comments(0)
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