『tke』
ヨーロッパの建築の雰囲気は
壁の厚みによって作られていると思っている。
もともと組積造の文化で壁が分厚いことによるものなのだが
その壁の厚みによって切り取られる風景や、差し込む光、窓際の扱い方によって
ヨーロッパらしさが生まれている。
今回のように重量鉄骨造の場合、柱や梁を隠すのであれば
窓枠の見込み(奥行きを)を大きくする必要があって
結果的に壁が分厚くなってしまう。
その奥行きを利用して書類やカタログが入る収納を設置したのだが
それはそれで窓際の処理としてヨーロッパではよくみられる手法。
枠も針葉樹合板で木口を切りっぱなしのシャープな納まりとして
野暮ったくならないようにしている。
切り取られる風景や、入ってくる光もよりエッジがたって
清々しい印象になっている。

kenoba辻健二郎建築設計事務所Instagram