『砂山の家』
建物は左官仕上げ
玄関ポーチの壁や正面の塀にタイルを用いる計画。
お施主さんがイメージされている
素材感、そして雰囲気というのを想像した時にネックになってくるのは、
笠木、水切り、基礎の立ち上がりなどの処理の仕方だと考えた。
タイルを使うとなれば普通はどんなタイルを使うかということに話しが終始するが
もちろんそれも大事なのですが、ポイントはその端部がどう終わっているかということだと思っている。
建築ではdetail(ディテール:細部)と呼ばれ
端部が野暮ったいか、普通か、洗練されているかで物の見え方が変わる。
少し話を脱線します。
instagramやpinterestを始め、様々な画像情報が氾濫する昨今において
設計士がお施主さんよりもセンスが良いとか、材料に詳しいとかいう
過去のインセンティブ(優位性)はないと思っているし、思っていた方が良い。
いつでもフェアでニュートラルに判断していく方が視界が広くなれる。
ただし、detailに関しては話が別。
素材そのものを扱い、コスト、施工性、雨仕舞、耐久性、職人さんのやる気等々
画像情報だけは想像しえない要素が複雑に絡み合い納めていく必要がある。
写真は笠木の板金の処理。
街中にある、ありとあらゆるタイルや左官の壁の笠木を意識して見てきた。
その中で出した答えが計画に反映されている。
2枚目は、玄関ポーチ屋根の鼻隠しと呼ばれる部分の板金の処理。
気付く人は皆無だと思いますが、唐草という役物なく板金を納めています。
きれいに納めるのには手間のかかる仕事。
唐草がないことで側面がすっきりする納まりになっている。

kenoba辻健二郎建築設計事務所Instagramに