写真を見えている世界を切り取ったものだとする。
切り取った以上は、そこに映らなかったものがあるわけで
その映らなかった部分を想像するからこそ
その写真の見え方が、見る人によって変わってくる。
実際の現場以上に、
写真の方が豊かに想像力溢れて見えることがあるのはその為で
写真のコツは、何を写すかではなく
写さないものを作ることで想像力にゆだねる部分があるかどうかだったりする。
それを建築に反映させてみる。
西側に設置した窓。
ソファーコーナーとなり
ヌックのようなスペース。
窓がすべて見えるわけでなく垂れ壁によって半分欠けている。
西日がダイレクトに入って
室内がノスタルジックな雰囲気になるのを避けたいという意図もあるのですが
どちらかというと、先程の想像力にゆだねる部分を作りたかった。
すべてがストレートに見えないことで
広がりを感じさせる仕掛けになっている。
■明暗の輪郭が出るように垂れ壁の厚みを薄くしている
kenoba辻健二郎建築設計事務所Instagram