2008年に開業をして15年目を迎える今年。
昨年からHPのリニューアル作業を行っていて
改めて仕事を俯瞰して見る良い機会になっています。
(こういう機会はなかなかないと思います)
良い機会ですので少し整理をしておきます。
□中庸(ちゅうよう)なデザイン
https://tsujichika.exblog.jp/24988976/https://tsujichika.exblog.jp/30650960/https://tsujichika.exblog.jp/29491723/https://tsujichika.exblog.jp/26985677/https://tsujichika.exblog.jp/26742037/https://tsujichika.exblog.jp/26724423/https://tsujichika.exblog.jp/25710179/https://tsujichika.exblog.jp/25667329/https://tsujichika.exblog.jp/21640529/繰り返し同じようなことを言っているのですが、
それを一言でお施主さんから言い表して頂いた言葉。
そもそもの出発点が学生の頃、数多く見た建築にあって
その経験から奇をてらう建築・デザインではなくて本質的な部分を考えていきたいというのがあります。
最近ではそれを、『五感』で感じるということを通じて考えていきたいと思っています。
SNSという『視覚』情報が氾濫する中で
建築の持つ役割は『残り四感』の扱い方が重要になると感じています。
□a little better(少し良くなる)
リフォームで考えるとわかりやすいのですが
何かを創造しようとした時、
劇的にという発想でスタートしてしまいがちです。
しかし、a little better(少し良くなる)という気持ちで計画を考えていくと
現状の問題点の整理(物が多いので捨てたい、クロスが古ぼけてきた)だけであったとしても
意味があると考えられます。
つまり、些細なことに対して焦点があたるようになって
そこに意味を見出せるようになる。
結果が真っ白い壁になっただけというだけであったとしても納得ができる。
書道家や芸術家が真直ぐの線を引いただけで筆を置くというのはなかなか難しく
あれやこれやとコネクリまわしてしまう。
『視覚』情報だけに頼ってしまうと、
この真っ白い壁や真直ぐの線の意味には気付くことができない。
a little better(少し良くなる)という視点の積み重ねが
厚みのあるものになってくるのだと考えています。
□ご縁
新しいHPの整理をしていると個々の物件が独立してあるのではなく
それぞれがつながっていることに気付きます。
新宮の家と
三重の家湊北町の家と
京都の家上の家と
広川の家等々
どれか一つの物件が無かったとしたら続けてこられなかったと背筋が凍る思いをします。
お施主さんをはじめ、ご協力頂きました職方の皆さま
月並みではございますが忍耐強くお付き合い頂き本当にありがとうございます。
□役割
設計士に求められる役割というのが年々変わってきていると実感しています。
先導型から
伴走型へと。
個人的な建築感だけで思考しているとそこで生まれるバリエーションには
限界があると思います。それでは遠くに行けない。
お施主さんや職方の皆様との対話によって、凝り固まった思考のタガが外れ新しい展開を見ることができる。
そこに役割とニーズがあることを自覚しながらその展開を楽しむことができる。
そんな存在であれば良いなと思っています。
と、長々と書きましたが15年続けていると経験からくる実感というのがあって
新しいホームページのworksで振り返るとそういう考えが如実に表れるものだなぁ~と
感じている次第です。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
m:年末に写真を撮影させて頂きました
kenoba辻健二郎建築設計事務所Instagram