カテゴリ:『有田の家3』( 22 )

170905 第34回住まいのリフォームコンクール 優秀賞

有田の家3

公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターが主催する
第34回住まいのリフォームコンクールにて有田の家3が優秀賞を受賞致しました。

学生の頃、毎月コンペを出す時期があった。結果は連戦連敗
学生のコンペというと、与えられたテーマに対し建築を考え、アイデアを出す形式が多い。
実際に建物が建つ前提の実施コンペというよりは
仮想のテーマに対してどのような回答を出せるかというものがほとんど。
当時を振り返ると、対象の無い暗闇にボールを投げていた感覚が常に付きまとっていた。
どうもリアリティーの無い思考が苦手だったのだと思う。

仕事として建築をスタートすると
その暗闇が、明確なクライアント(お施主さん)という形で表れるようになった。
ボールを投げては、剛速球や、変化球、ゆるやかで捕りやすいボールを投げ返してくれる方様々。
そのキャッチボールの中で肩(建築)を鍛え、球種(建築)を磨く。

建築は、クライアント、予算、工法、材料、工務店・職人さんと様々な
リアリティーと対峙することで具体化する。
そのリアリティーのキャッチボールを通してでしか具体的な形を作ることはできない。
アイデアだけでは成立しないところが建築士がアーティストではないところ。
だから、アイデアを出せない学生にはそこで止まらないで欲しい。
連戦連敗だったとしても、建築はアイデアだけで簡潔するそんな単純なものではない。

今回賞を頂くことになり改めてその考えを強くした。

チャンスを与えて頂きましたお施主様。
そして難しい仕事を請け負って頂きましたテラマエ建設さん。
いつも楽しく大工工事をして頂きました名コンビのサイトウさんとトミナガさん。
そして職方の皆様本当にありがとうございました。

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by tsuji-chika | 2017-09-05 10:12 | 『有田の家3』 | Trackback | Comments(0)

160107 チラシ

『有田の家3』

年末、有田の家3にて人形の西岡さんのチラシ用の撮影をさせて頂きました。
そのチラシが昨日(1/6(金))の朝刊にて配布されています。
素人撮影のつたない写真ですが、被写体が良い為(笑)落ち着きのある良いチラシになっていると思います。
一度手に取ってみてください!

また、撮影にご協力頂きましたお施主様には
みかん収穫の繁忙期にも係わらず快くお付き合い頂きまして本当にありがとうございました。
お店で写真をご覧になられた方から、「素敵な家」とお声掛け頂く事も多いとのことです!

設計士としてカメラマンとして一体何屋さんかわからなくなってきましたが
技術の進歩により
一個人のスキルでできることが広がっている時代なのだと実感させて頂ける良い経験となりました。
またよろしくお願い致します。

■チラシを握ってお店に足を運んで見てください!
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by tsuji-chika | 2017-01-07 09:31 | 『有田の家3』 | Trackback | Comments(0)

160722 気配

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

ご縁頂戴しまして、INTERIX様にカーテンと簾ロールスクリーンを納めて頂きました。

通常とは違い、壁面いっぱいに仕上げて頂くことで
カーテンと建築により一体感が生まれたと思います。

カーテンやロールスクリーンに対しては
気配を可視化するアイテムだと考えている。

風が入ってくる様子や光がゆらゆらする気配が生地というフィルターを通すことで可視化される。

そのような視点に立つと
必然的に選ぶ生地のテイスト(方向性)が見えてくる。
生地自体にフォーカスするのではなく、それを吊ることで建築にどういう効果を与えるか
涼しそうになるのか、やわらかくなるのか、静かになるのか、光を拡散させるのか・・・を想像する。

その効果を想像したならば、よりその効果を活かす吊り方を考える。
あくまでも生地はフィルターであり、吊ることで生まれる気配が大事。

■全面にカーテンを吊ることで廊下の印象をやわらかくした
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■床に落ちるやわらかい光:ゆらゆらする
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■風:目に見えないものを可視化する
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■全面に吊るので暑苦しくない涼しげな生地を選ぶ:ジャストカーテンオリジナル生地/少しグレーが入っています
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■カーペットとカーテン:共にリネンが入っている
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■コーナーに連続して取り付けして頂いた:部屋をやわらかくする。ドレープがきれい。
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■縁側には簾(竹材)のロールスクリーンを:ダークブラウンとし景色の邪魔にならないように
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■本物の材料で作られた簾:控えめに納める
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by tsuji-chika | 2016-07-22 18:29 | 『有田の家3』 | Trackback | Comments(0)

160705 影をまとう

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家


この計画の難しかったところは、色の調和。
大きくわけると3種類の色が混じる。

1:木の色そのまま→新しく使ったスギやオークの色。着色せずそのままの色
2:既存の木の色→日に焼け、エイジングにより茶色に
3:玄(クロ)→大壁に変更した奥の部屋の既存柱や天井に使い印象をしめる

お施主さんとの打ち合わせでも
それらがチグハグに混じり合い収拾がつくものかと不安もあった。

施工側としても可能な限り
色の調子、艶を整え、一本ごとの柱、鴨居、建具の塗り分けを指定して施工して頂いた。

おそらく南側からの太陽光が部屋の隅々まではっきりと明るくうつしだす建築だと
嘘っぽく、薄っぺらい印象になったかもしれない。

以前、漆塗りの器や掛け軸や雛人形等の見え方について書いたが
(陰影礼賛http://tsujichika.exblog.jp/24333033/
影をまとうことで全体の調子が整っているのが写真を通してよくわかる。

古民家風に建てられた家はたくさんあるが
どうもうまくないものが多いのは、そこにあるべき影がないからで明るすぎるのではないだろうか。

■(左)玄(クロ):柿渋にベンガラを混ぜ黒に近い茶色を作った
■(右)四季折々:眼下につつじや紅葉が見える
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■(左)足元を明るく照らす
■(右)気配を重ねる
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■(左)recycle:良い物(建具)は可能な限り再利用する。記憶の継承
■(右)洗濯室:土足で利用できる。収納の扉は玄関に使っていた舞良戸
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by tsuji-chika | 2016-07-05 04:51 | 『有田の家3』 | Trackback | Comments(0)

160704 間の建築/竣工写真撮影

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

和歌山県は有田市で進めてまいりました築80年の旧家のリフォーム。
昨日、朝から竣工写真の撮影をさせて頂きました。

リビング・ダイニング・玄関等、機能・役割(室名)を持った室をつなぐ空白の場所、「間」。
土間や、ダイニングの前の前室、洗濯場をつなぐ通り庭、リビングとダイニングとの間の50cmの段差・・・。
新築では無駄ということで一蹴されてしまいそうな「間」。
この建築の魅力は、「間」が作りだす余裕にあるのだと言える。

また、六十谷の家http://www.tsuji-chika.com/works/workmus/musframe.htmlと同じように
仏間が南側に配されている為、北側に配されたリビングやダイニングスペース。
学生の設計課題で同じような間取りを描いたら、教官から「暗い!」ということで一蹴されそうな間取り。
しかし、結果生まれてきた空間を見ると説得力を持って成立しているように思う。

現場を通じて、リフォームの醍醐味というのは
前提となる与条件がひっくりかえるところにあるのではないかと考えていた。
何よりもお施主さんも受け入れやすいその場限りの与条件を見つけ出し、磨き上げることが共感を生むように思う。
結果、建て替えなくて良かったと感じてもらえるのは
その場だからこそ成立し得た何かを見つけ出すことに尽きるのではないか。そこがおもしろい。

■はじめて訪れた時北庭の緑が印象的だった
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■南側の玄関までを見通す
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■リビングからダイニングを見下ろす
■照明により重心を下げる
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■北の部屋:少しの腰壁が宝泉院を思い出させる
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■わくわくするカット
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■北の間の床を少し上げ部屋としての輪郭を浮き出させた
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■何も無いことが清清しい
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■透ける気配
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■影が奥行きをつくる
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by tsuji-chika | 2016-07-04 06:11 | 『有田の家3』 | Trackback | Comments(0)

160701 線が多すぎる

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

コルビジェが桂離宮をみたとき、「線が多すぎる」と言ったのは有名な話。
真壁の柱・梁、障子の桟、畳の縁、竿縁天井、木目、
装飾が無い代わりに部材が交じりあうところに無数の線が存在する。

大壁の文化から来た西洋人の感想としておもしろい視点だと思う。

一般的に言われる和風と、モダンの境界線もここにあるのではと思っていて
和風により過ぎない方法として線を消していく、整理するというのがひとつの手法になる。

いざ、線を消していくとき
純粋な真壁を相手にすると端部の納まりが非常に難しい。
壁が柱より外側に出てくるので部屋と部屋の境界で破綻することになる。
(※真壁のリフォームを設計した人が皆経験する問題)

丁寧に線を読み解くと鴨居より上、いわゆる垂れ壁の部分を大壁にし
鴨居より下を真壁のままにするとうまくいきそうだと見えてきた。

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by tsuji-chika | 2016-07-01 05:39 | 『有田の家3』 | Trackback | Comments(0)

160625 Look down

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

台所と居間の間の建具が開いた。
長らく養生の為に閉めきっていたが
今日、居間側のクロスを貼るということで養生をとった。

振り返ると建具が開けられ
打合せで出して頂いたお茶を片付けるお母さんの様子が見えた。

「見下ろす視点」/台所に対して居間の床が50cm高い。

ポールセンの照明によって机上がフワァッと照らされコップや器が団欒の後をイメージさせた。
いつもは真横から見るはずの視点が、今回は斜め上から見下ろす視点になる。
机上の様子がいつにもまして目に飛び込んでくる。
この温かい感じはなかなかつくりえない。思わずシャッターを切った。リフォームの醍醐味だと思う。

■住宅はシーンの積み重ね
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by tsuji-chika | 2016-06-25 15:28 | 『有田の家3』 | Trackback | Comments(0)

160624 wall

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

玄関土間。スギの壁が仕上がりました。
すばらしい仕上がり。壷を置いて梅や桜の枝をさしておくととても映えると思う。

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by tsuji-chika | 2016-06-24 07:05 | 『有田の家3』 | Trackback | Comments(0)

160617 気の遠くなる作業

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家

壁と竿縁天井に廻り縁を付ける。
新築ではないので、竿縁も天井板もまっすぐ水辺ではなく凸凹がある。
それを一つ一つ形をひろいながら木を削って合わせていく。

■迷い無く作業に取り掛かる老齢の大工
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※更新頻度が遅くなっております。Instagramと合わせてお付き合い頂ければ幸いです※

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by tsuji-chika | 2016-06-17 05:25 | 『有田の家3』 | Trackback | Comments(0)

160613 建具は動く

和歌山市の家∥有田の家3∥上の家


大工からはじまり、左官、建具、塗装、電気、機械などたくさんの工種によって成り立つ建築。
その中でも建具工事は他とちょっと違う。

不動産の建築にありながら、建具だけは動く。
出入りするたびに、物を取り出すたびに扉に手を掛け開け閉めを行う。
動くということは、不具合が生じる確立があがるし、
木製建具となれば環境によっては、反ったり、延びたり、縮んだりもする。
木製建具屋さんはそこも含めて付き合ってくれる人でないと成立しない。
(いつもお付き合い頂きましてありがとうございます。)

さて、改修工事になるとさらに仕事が難しくなる。
建具が納まるべき枠が、きれいな長方形ではない。台形だったり、平行四辺形だったりと
目にはわかりにくい範囲ですが、直角で作られる建具を納めると隙間が生じる。

引き戸などでは閉めた状態であわせると開けた状態で隙間が生じる。
隙間が生じれば建具屋さんの仕事としては×で、どうにかして合わせなければならない。

台形の建具を作るわけにもいかず、框を大きくして切り込み時に根気強く削り合わせるしかない。
腕の見せ所です(笑)。

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by tsuji-chika | 2016-06-13 06:08 | 『有田の家3』 | Trackback | Comments(0)