カテゴリ:『三重の家』( 10 )

191018 伝えること

『三重の家』

毎回同じ方との仕事だと、「〇〇邸の納まり」と伝えれば用が済む。
しかし、毎回違う方だとそうはいかない。

図面に描いてあるからといって
そのままこちらの意図が伝わるわけではなく
どちらかというと伝わらないものとして入っていった方が良い。

朝8:30に現場に到着し、各職方の担当者と打合せを行う。テーブルは軽トラの荷台。
こちらもこのやり取りを何百回と繰り返してきたので大体のことは説明できる。

人に伝えることは難しい。

手描きで描いて伝えること。

細かな納まりになれば
三角スケールとパイロットのフリクションペンを使ってその場で正確に図面を描く。
ゆっくりと正確に。必要に応じてmulti8で着色する。
時間がかかるが、そのスピードに合わせてしゃべりながら思考のプロセスを
職人さんにも共有してもらう。

何も描く図面が正しくある必要はない。
最初に描く図面はたたき台程度として捉え
職人さんの意見を反映させながらより良いものにブラッシュアップさせる。

一緒に思考して頂くことで、「ようやくわかった!」と言ってもらえればしめたもの。
その後のやりとりはスムーズに展開します。

■時間をかけて金物ひとつづの寸法をおいながら描く
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■親子で工務店をされています

建築峪中のお父さん。一緒に製図をしてくれます(笑)。
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by tsuji-chika | 2019-10-18 09:28 | 『三重の家』 | Trackback | Comments(0)

191017 スギとヒノキ

『三重の家』

1階は真壁、2階は梁下まで大壁。
仕上げは床がヒノキで壁(一部左官がある)・天井がスギ。
塗装もする予定がないから、無垢の木の中に住む心地になる。
板材は節有りで地元三重の製材所から調達する。
飾り気は無いが、無駄な寸法を無くすことで
キュッと引き締まった空間にしたいと思います。

■2階床下地はJパネル:化粧になる梁組は見え方を考慮して割付している
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■縦長の三連窓:小気味よく分割する

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■階段は建物の中央に。その周りをグルグルまわる間取りにした
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by tsuji-chika | 2019-10-17 09:14 | 『三重の家』 | Trackback | Comments(0)

191015 親密感

『三重の家』

3x3.5間の総二階の部分に、差し掛け屋根が付く小さな家。
桁高さも通常の家に比べると一段低く、より小さく感じる。
その分中に入るとキュッと空間が引き締まり
親密感をより強く感じることができます。

蜜柑畑に囲われ2階からは遠くに太平洋が見える。
開けた自然環境である一方、
台風が近づくと雲行きがあやしくなるのが見え雨風の影響が強いことを想像できる。

『自然環境から守る』。
それがスタート時にイメージしたことで、この考えが端々に反映された計画となっています。
守るということについて物理的な側面と、心理的な側面両方からアプローチをしていて
先ほどの親密感というのは心理的な効果を期待してのこと。
徐々に空間が仕上がってくるとそのイメージを掴んで頂けるかと思います。

■手の届きそうな2階:差し掛けの屋根はまだ付いていない
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■台風19号が近づく
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■2階居間:梁下端で2110mm。水平の梁が等間隔に並び
そのリズムが太平洋の水平線に呼応する
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by tsuji-chika | 2019-10-16 14:27 | 『三重の家』 | Trackback | Comments(0)

190903 配筋検査

『三重の家』

地盤調査の結果、地盤改良の必要もなく地鎮祭が終わった後
スムーズに基礎工事が着手できた。

まずは、配筋検査。
小さな住宅なのですが、いつもやることは同じ。
遠方ですが7時に出ると、10時には現場に着けるので特に大きな問題はありません。
監督さんも、こまめに連絡をくれるので進捗も把握でき安心。

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■smartの荷台を開いて即席の打合せテーブルに

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by tsuji-chika | 2019-09-03 09:00 | 『三重の家』 | Trackback | Comments(0)

190726 花窟(はなのいわや)神社・世界遺産

確認申請の訂正を終え、地鎮祭まで少し時間があったので花窟神社(世界遺産)に行ってみました。

日本書紀に記されている最古の神社とのこと。

学生時代ネパールから陸路で5日間かけてチベットに行ったときのこと、
ようやく目の前に現れたポタラ宮殿を見たとき、安堵の気持ちとすごく感動したのを覚えています。

その時に日本から来ていた団体旅行客に聞くと同じルートを飛行機で一時間で来たとのこと・・・。
きれいな格好をして元気そうにパシャパシャ写真を撮っていました。

その時に、同じものを見ているのにそれまでのプロセスによって
大きく感動や記憶が変わるのだということを強く意識したのを覚えています。
ポン!っと答えだけを体験しても何も面白くないのだということを。

熊野古道に関わる世界遺産群はまさしくそれで
この花窟神社や那智の滝や熊野速玉大社も、その大元だけを効率良く車で巡っても本当の感動は得られない。
熊野古道を一歩づつ歩くからこそのものだと思います。

■家を建てることにも通じる
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by tsuji-chika | 2019-07-26 12:08 | 『三重の家』 | Trackback | Comments(0)

190725 「三重の家」地鎮祭

『三重の家』

梅雨の晴れ間に無事に地鎮祭を開催することができました。

今回工事を請け負って頂きますのは、 建築峪中(さこなか)さん。
親子でされている地元の工務店さんですが
細かな金額の調整作業にも丁寧に対応くださり技術力も含めて安心して任せられる存在です。

峪中さんは、今回のお施主さんを紹介してくださった方のご自宅も施工されており
その家も拝見させて頂きましたがすばらしい仕上がりでした。

良いご縁が重なり、良い体制で現場が進められることは本当に心強いです。

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by tsuji-chika | 2019-07-25 15:24 | 『三重の家』 | Trackback | Comments(0)

190611 遠くの景色

『三重の家』

前面道路の高さに対して
排水の勾配がとれるように敷地をかさあげしています。

敷地に立つと、みかんの木よりも
高い視線になりより遠くが見通しやすい。

太平洋に向けてなだらかに傾斜しているので
視線を遮るものはほとんどなく
2階の台所に立つと水平線から朝日がのぼるのが見える。

海陸風も吹く
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by tsuji-chika | 2019-06-11 05:30 | 『三重の家』 | Trackback | Comments(0)

199607 境界

『三重の家』

着工に向け工務店さん含めた打合せの為
三重県は御浜町へ。

道中、ただただ山道を走る。

スギとヒノキが植林された山の景色は
ほとんど変わらない。
その変わらない景色でも
ハッと印象が変わる瞬間があり車を停めては写真におさめる。

車中暇なので色々と考えてみた。

この印象の違いは
山の稜線、空との境界の輪郭の違いによるものだとわかってくる。
なだらかな境界、切り立った境界。

人は物や空間を知覚する時
無意識のうちに境を見ている。

白い大きな壁の真ん中を見続ける人はいない。
壁と床の境、壁と天井の境。

これが理解できると
建築においてはこの境の処理がいかに重要かがわかる。
壁に同じ素材を使っていても、
巾木の大きさや廻り縁の存在の有無で空間の印象が変わるのはその為だ。

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by tsuji-chika | 2019-06-07 05:43 | 『三重の家』 | Trackback | Comments(0)

190409 打合せ

『三重の家』

打合せは中辺路にあるGUESTという喫茶店で行う。
丁度、現場と事務所の中間地点にあるので大変ありがたい。

何度か通ううちに
別室でどうぞということで
大きなテーブルがある部屋を使わせて頂いた。

ストリートビューをリンクしておきます。
海南から道中の景色が楽しめます。
昼休みにどうぞ・・・(笑)。

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by tsuji-chika | 2019-04-09 09:39 | 『三重の家』 | Trackback | Comments(0)

190130 三重の家

『三重の家』

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紀伊半島を横切って、熊野灘へ。
敷地は三重県は御浜町。
新宮からも近く、七里御浜は世界遺産。
片道150km、3h~4hの距離。

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水平線から朝日が昇る。

和歌山の紀北では考えられない自然現象。
少し高台にあり、遠くに熊野灘が見えるロケーション。
全国的に有名な熊野の花火も見える。

そんな敷地に、25坪弱、2階建ての小さな家を建てる。

ご縁を頂戴してから、
中間地点である中辺路の小さな喫茶店で打ち合わせを重ね
現在は実施図面にとりかかっています。

佇み方、水平線、回遊性、親密感を意識した計画。
派手さはないですが、ギュギュっと想いが凝縮された良い家になると思います。
完成を乞うご期待ください!

■道路工事が多い 5分待っている間に写真撮影 雪が降っていた
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by tsuji-chika | 2019-01-30 09:31 | 『三重の家』 | Trackback | Comments(0)