「大野中の家」の外壁には、
杉板(15mm厚)を張る箇所と、左官塗りの箇所があります。
先日、浸透性の保護塗料を塗った杉板の色見本を作って頂き、
現場にて杉板の色を決定しました。
仲良く並んでいるのがそれで、
左側が「クリア(透明)」、右側がクリアが少し濃くなった「ナチュラル」
という色です。
杉板の色のばらつきを抑えるためと、UVカットの効果を期待して、
「ナチュラル」を選択しました。
(木の日焼け、色落ちをそのままいかした表情とする為に濃い着色をしていないので、
後にどちらも同じような銀(灰)色になるのですが・・・)
保護塗料を選択するとき「経済性」、「作業性」、「耐候性」等は大事な要素なのですが、
長期的な視点に立って、「塗り重ねのし易さ」ということに重点を置かなければなりません。
マニキュアのように表面に塗膜を作ってしまうものであれば、
一度はがしてからでないと塗り重ねできませんし、
複雑な色であれば色合わせが難しく新旧の差が際立ってしまいます。
どのような材料、製品を使っても必ずメンテナンスが必要になります。
メンテナンスをすることで始めて建物は長く健康に保たれます。
そのような視点に立つと、材料・製品・色についての選択肢がおのずと絞られてくるものです。