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『砂山の家』

白って一言で片づけてしまうと
それ以上見える景色が変わらない。

建築の面白いところは
そこに太陽光や照明の光があたったり、影になったり
素材感や、質感からくる軽そう、重そうの違い
天井・壁、床、腰壁といった面の違い
そういったことでも受ける印象が全く変わる。

時間によっても、見る角度によっても
もっというとその時の気分でも変わる。

一見、思考停止してただ白く塗ったように見える
中にも豊かさや多様性がきっちりとあって
その少しの機微を感じることもまた面白い。

■じっくり見ていると良い雰囲気だなぁと感じると思います
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■同じ仕上げでも色が違って見える おもしろい
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kenoba
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# by tsuji-chika | 2022-02-11 18:49 | 『砂山の家』 | Trackback | Comments(0)

220208 鈴木屋敷vol01

鈴木屋敷
という建物が海南市にある。
約180万人(苗字ランキング2位)いる(1位は佐藤さん200万人)とされている
鈴木姓のルーツとなった建物。
詳しくはWikipedia参照頂くとして
その復元工事が進められている。

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今の建物は江戸後期に建てられたものということなので
築200年ぐらい(間違っていたらご指摘下さい)。

僕の記憶でもただ鬱蒼として朽ち果てたイメージしかなかったので
それを復元するとなるとそもそも原型があるのかと思っていたぐらい。
実際、シロアリ、雨漏れ等々痛みは激しく復元工事となると一筋ではいかない。

工事をされているのは平田建設さん。
ご縁頂きまして工事中の様子を見学させて頂きました。

復元というのは
使える材料を可能な限り残すという前提に立つ。

1枚目の写真
継木、埋木で欠損した柱を復元していく気の遠くなる作業。
同じ形は2つとなく欠損ごとに形をひらって削り合わせていく。
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こんな仕事を目の前にすると
工期は費用はと数値化できることで物事を捉える現代人の思考で向き合っていると
到底太刀打ちできないと感じる。
そもそも新しく作った方が良いのではないかとさえ思ってしまうが
それは何か違う。
理屈はわからないが、
一旦解体してしまって、資料文献を紐解き
新しい材料を使って再建しました、これが鈴木さんのルーツですよ!
とポンっと見せられてもそこに共感は生まれにくい。

記憶が断絶してしまうから。何となくそう思う。

そう考えると朽ちた一本一本の柱がタイムカプセルのように
江戸時代から令和までをつなぐ装置としてその役割があることに気付く。
そこに復元の価値があるのだと思う。

220208 鈴木屋敷vol01_b0129659_08464826.jpg
継木・埋木は1~2mm程大きくしておく。
新しい木は痩せるからとのことですが、
痩せるまでの年月を考えるとそれもまた長い話。
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若い職人さんも作業されている。
なんで大工さんになったのか今度ゆっくり話を聞かせてもらいたい。

ご近所ということもあって
引き続き勝手ながら取材させて頂きたいと思っています。
経済合理性だけでは判断できない“何か”をお伝えできればと思っています。

ご興味ある方はお声掛けください。

kenoba
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# by tsuji-chika | 2022-02-08 09:33 | 海南市の風景 | Trackback | Comments(0)

220201 凸凹

『砂山の家』

壁・天井は白に黒顔料を0.05%入れて作って頂いた
フェザーフィール仕上げ。
KOBAUという紙クロスを下地にしてその上にコロコロと塗っていく。
極わずかな顔料ですが塗っているときは、けっこうグレーになる。
乾くと白に戻るがちょっとドキッとする。

室内は仕上げ大詰め。

装飾的な仕掛けは排除して、凸凹だけで構成していった彫刻的な空間が印象的。
フェザーフィールのマットな質感がそこに落ちる影にグラデーションを付けて
ひとつひとつの彫りを印象深くしてくれている。
わずかな塗り厚が角を丸くしてやさしさが加わるのも気に入っている。

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# by tsuji-chika | 2022-02-01 18:17 | 『砂山の家』 | Trackback | Comments(0)

220129 モラート 02

『砂山の家』

薄塗りで弾力性がある材料なので家具にも塗れる。
白本さんが小さな鏝(コテ)で角を作っていく。

左官屋さんが引き出しの扉を塗っているってのは
おそらくスクープで、僕だってはじめてみる(笑)。

モラートやモールテックスという材料は左官屋さんの仕事領域を
大きく広げた。
土間、壁、天井、サッシ廻りのトロ詰めと
限られた範囲での仕事だった左官屋さんの仕事。
タイルやサイディング、そしてクロスに押されてどんどんその役割が
仕上げから下地へと移行していった。
樋口さんに下地を作って頂いた今回の外壁も仕上げは塗装屋さんに吹付して頂いている。
どんなに綺麗な下地を作って頂いても仕上げは違う人の手に渡り
縁の下の役割だと言ってもやはり仕上げまでというのが人情。

こういった材料が登場することで
再び左官屋さんの仕事が増えることはうれしい。

■洗面台の引き出しを塗って頂いています
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■寒い日が続くのでなかなか乾かない日当たりの良いところでの作業
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窓廻りの工夫により鉄筋コンクリート造のような外観に
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# by tsuji-chika | 2022-01-29 07:01 | 『砂山の家』 | Trackback | Comments(0)

220128 モラート

『砂山の家』

玄関からダイニングにかけての床をモラート塗りにした。
白本左官さんにご協力頂いて仕上げて頂く。
ちなみに広川の家の腰壁も白本さんに入って頂いた。

コテで均してからさらに研磨して表面を平滑にする作業を行う。
根気がいる作業。
マットでニュートラルな仕上がりは左官ならでは。
モルタル塗りよりも繊細な肌理なので
足触りも良く、夏は素足でペタペタ歩くと気持ちよさそう。

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# by tsuji-chika | 2022-01-28 13:02 | 『砂山の家』 | Trackback | Comments(0)